続・ネットサーフィン

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共産党員だった私は、この単行本を出すことで、規約違反の容疑があると査問を受けた。発売前にゲラ刷り(本になる前に誤植などを点検するための印刷物)を常任幹部会に提出していたことなど、まったく意味のないことだった。こういう単行本を出すことが「党員としてふさわしくない」との判定を下され、共産党から除籍されたのである。

査問官たちは「最終的な決定が下れば連絡する」と言ったものの、何の連絡もないままに半年が過ぎた。ことあれば「ヒューマニズム」や「人間性」を説く共産党がこれでいいのか――当時の私にはまだそういう思いがあった。私は査問の担当者に電話をかけるにした。返事はあっけなかった。

「あっ、半年前に除籍されていますよ」

 何をいまさらという、まるで役所の窓口で聞くような事務的口調だった。

除籍になった直後、「有田と道で出会ったら、挨拶をしていいのか」と討議した支部さえある。