FFF


 「ソトコト」11月号増刊の「エロコト」という雑誌で紹介されていたFFFというNGOはすごい。


http://www.fuckforforest.com/


 FFFとは、Fuck for forest の略で、ノルウェー人のカップル、トミー・ホル・エリンセン(29)とリオナ・ヨハンセン(22)が立ち上げたNGOなのだが、自分たちをモデルにしたヌード写真やポルノビデオを有料ウェブサイトで公開して、その売上金を環境保護にあてるというもの。昨年一年間で約10万ドルの寄付金が集まり、これはアメリカのすべての環境団体が一年間に集める金額に匹敵するというから驚きだ。



 ノルウェー政府には“オルタナティブな環境プロジェクトを推進する団体”と説明し*1、最初の6ヶ月は政府の支援を受けて運営されていたそうだ。ノルウェーではポルノは非合法にも関わらず。



 ノルウェー熱帯雨林基金は当初、彼らの集めた寄付金を受け取っていたが、ある事件をきっかけにして受け取ってくれなくなったそうだ。2004年の夏に行なわれたロックコンサートで、5000人の観客の前で10分間の性交をしたというのがそれ。二人はその際、そのコンサートを行なった町の行政当局に罰金を課せられ、今はベルリンに“亡命”し、罰金の支払いを拒否している。



 記事では、FFFの他に、筋ジストロフィーの患者のためにアメリカの西海岸で奮闘しているALS(All Ladies Shaved=全剃毛女性。同時に筋萎縮性側索硬化症の略語でもある)という団体も紹介している。ALSはFFFと同様にオンライン・ポルノを運営しており、1996年からの10年間で39万ドル以上を、筋ジスを解明・治療する研究費のために寄付してきたそうだ。

*1:ここでふと思い出したのが、「長い旅」という映画のこと。アラブ映画祭2006で公開されたこのモロッコ・フランス合作映画では、実際のメッカ巡礼の様子がスクリーンに映し出されていた。本来、劇映画を目的とした聖地の撮影は許可されていないのだが当局にはドキュメンタリーとして申請する“裏技”を使うことで撮影に成功している。何千何万という巡礼が一様に簡素な白い衣装に身をつつみ、静かに一つの方向に歩いていく姿は圧巻。この感動的なシーンを観客が目にすることができるのも、この裏技のおかげだ。無条件に肯定されるものではないけれども、ときにはこういう裏技がいい仕事をすることもある