テイケイとイスラエル

ネット検索してみたら、以下のページを見つけた。


http://www.bunkyo.ac.jp/~koogenga/keebi/kannsya.htm


 東京都新宿区の「テイケイ株式会社(帝国警備)」は着任したばかりであったイスラエルのエリ・コーヘン駐日大使の歓迎パーティーを主催した。イスラエルと帝国警備の関係は深い。

 今尚、パレスチナとテロの応酬を繰り返しているイスラエルであるが、セキュリティ対策は世界一と言われている。イスラエルの治安対策上の「実践的なノウハウ」の優秀さに日本の警備会社として真っ先に注目したのが帝国警備であった。2002年末、それぞれ10人の警備・警護研修グループを1週間ずつ2回、イスラエルの専門機関に派遣し、VIP警護、自爆テロ対策、イスラエル流の護身術「クラブマガ(接近戦闘術)」などの実地訓練を受けさせた。2003年4月にはイスラエル軍の現地訓練の視察も行っている。

 帝国警備幹部は「米中枢同時テロとイラクでの日本人外交官殺害事件で企業などからわが社への警備・警護要請が急増した。今後もイスラエル派遣研修は続けていく方針だ」とかたり、帝国警備以外にもイスラエル方式を売り物にする日本の警備会社が現れつつある。「対テロ・治安」を民間レベルからいち早く行うことで、日本の警備体制を強化する構えである。(産経新聞2004.1.29)


ほうほう……こんなことをやっていたのか。

警備業ってのは軍需産業より賢い存在かもしれないな。

軍需産業は軍隊とか兵器とか戦争とかあからさまで非日常的な形の需要に頼るが、警備業は治安の悪化とかテロの危険性とか自動車社会がもたらす恒常的な道路整備の必要性とか、軍需産業に比べれば、派手さがなく、見えにくい形の需要に頼る。

軍需産業原理主義が戦争やテロという「祝祭」を引き起こし、警備業はそこで生まれた信仰(≒需要)を頼って稼ぐ……とかね。

若者の「モテる術」みたいな話があって、サークルとかアルバイト先なんかでリーダー的な存在になってはいけない、中心にいる奴はモテるチャンスを取り逃がすが、そういう集団の隅でうまく立ち回るのがモテる術としては賢いというような話を聞いたことがある。




本当かね。



こんな感じだろうか↓

http://www.osaruland.com/



最近ではゴア元副大統領は、環境問題関連産業の「次郎」であるという話がある。
場合によってはそうなる可能性もあるんだろうな。



……「猿回しの猿」は言い過ぎかな。
一般的には侮蔑的なラベリングだしな。



ただ私は、個人的には様々な領域で猿の役を引き受ける方々に対して、畏敬の念を抱いている。
そういう方々がいるからもこそ、私のような「見るあほう」或いは、「つられて踊るあほう(つられてしか踊れないあほう)」は、セルフカウンセリングの場を与えられるのだし。

もちろん、様々な「祝祭」を単に「祝祭」と十把一絡げにすることはできないが。
「善い」祝祭というものがあるのかどうかは知らないが、少なくとも、どうしようもなくむごたらしい祝祭というやつはあるんで、そういうのは拒否したい。



テイケイ株式会社の話に戻れば、一番賢いのは「踊るあほう」と「見るあほう」の片隅で焼き蕎麦を焼くテキヤのにいちゃんということになるが、開高健が「食いだおれ」というエッセイの中で紹介しているエピソードは面白い。


 釜ヶ先で暴動があったときのことである。警官隊と住人たちがおしあいへしあいひしめきあって、たがいに血の雨を降らしあっている混沌のまっただなかを、四十がらみの女がなにやら叫びつつ走っていた。左手で娘の手をひき、右手に風呂敷包みをかかえ、必死になって叫んでいた。
「どうだ、どうだ、石どうだ。一コ十エンでっせ。石買いはりまへんか。ええ石でっせ。一コ十エンでっせ!……」
 人びとはなぐりあいをやめ、十エン払って女から石を買うと、てんでにそれを投げてふたたびなぐりあった。女は翌日も乱闘の現場にあらわれて石を売った。石はやっぱり“ええ石”であったが、一夜あけると一コが十五エンになっていたという。

「日本人の遊び場」より。



テキヤもこのレベルなら笑い話で済むかもしれない。